リビングと客間の境を空中長押に。天井がふわっと浮くような独特の浮遊感。ガラス戸の濡れたような表情が味わい深い。

コーニス照明がやわらかな光のグラデーションを生み出す。

勾配天井により視線が自然と庭へ抜ける。

キッチンや窓際のベンチから四季折々の植栽を眺める時間も贅沢。夜はオレンジ色の灯りが葉を照らし、旅館にいるようなしっとりした雰囲気。

寝室へ続く廊下からは、木の床材を。ふっと気が緩み、気分がオフに切り替わる。
M邸は、和のエッセンスがベース。木格子をとり入れ、建具はムクの引き戸に。日本建築を踏襲して線の高さを揃えることで、空間が広く長く続くように感じさせ、なんとも伸びやか。絵画のように眺めて愉しめる庭は、日本庭園の「借景窓」を思わせる。

ノイズを削ぎ落とした、究極のホテルライクデザイン。色のトーンを揃えたシンプルな素材を厳選し、天井面の照明は最低限にすることで、スッキリとした高級感を演出。デザインや素材、仕様など、すべての部屋で細部まで手を抜かず、ホテルに訪れた時のような特別感をどんなシーンでも味わえる。

茶室へ向かう露路のように直接客間へ出入りでき、訪れる人を木々が癒す。

プレーンな寝室。

細部にまでこだわり、生活感を感じさせない水まわり。

細部にまでこだわり、生活感を感じさせない水まわり。

空間に美しく溶け込む、猫スポットにも注目。リビングの本棚には、キャットウォークにもなる仕掛けが。空中長押や窓際のベンチは、猫ちゃんがくつろげるスペースで、いつも気持ちよく寝そべっているそう。どれもデザインの一部として美しく溶け込み、M邸の研ぎ澄まされた空間を邪魔しない。

伸びやかな外観の平屋。一見住宅とは思えない佇まい。