暮らしの中心となるのは2階。壁の仕上げをあえてせず、下地材がむき出しの空間は、まるで家全体が秘密基地。吹き抜けを中心に居住空間がプランされているが、中3階の寝室含めて仕切りはほどんなく、フレキシブルに使える造り。Wさんならではのライフスタイルが反映されている。

「我が家はできたけれど、完成はまだなんです。ここはどう使うかなと、日々考えています。それが楽しくて仕方ないんです！」と奥様。まるでクラフトを楽しむかのように、その時々に合わせて住まいを変化させることができるのがW邸だ。

「新居は、外空間のように使える1階の土間空間や、吹き抜けを中心にプランされ、仕切りがほとんどない2階の居住空間など、全体を通してフレキシブルな造り。外とのつながりや自然素材の気持ちよさを感じられる、ゆったりとした住まいで、これからの暮らしについて考える時間を楽しんでいます。」

玄関から続く1階の大部分は土間にし、外とそれほど変わりなく、趣味に遊びに、ラフな感覚で使えるような空間をつくった。庭と面した大きな窓を設けることで、外と地面が一続きになり、空間の広がりと自然の心地よさを感じることができる。

1階と同様、2階にも大きな窓を設置。2階にLDKをプランすることで、視界を遮ることなく伸びやかに広がる田園風景を、住まいの景色の一部にすることに成功。また要所に設けられた窓からの光が、吹き抜けを介して住まいを明るく照らしてくれる。

柱や化粧梁をあらわしにし、壁はあえて仕上げを行わず、下地をむき出しにすることで、住まいを包み込む木の質感、香り、あたたかみを、たっぷり感じられるように。窓枠や照明、手すりは全て黒のアイアンで統一することで、木の柔らかい雰囲気がさらに引き立つ。

中3階へ上がる階段の壁一面は本棚に。蔵書や趣味のクラフトの作品を飾るそう。

多用途に使える和室は1階にプラン。

三角屋根が印象的な外観デザイン。庇が深く、自転車も置ける。