東京で暮らす施主が、富山に移住するために建てた住まい。
「富山は自然が豊かで、都会でも田舎でもない、ちょうどいいスケールの街が気に入りました」。

　約120坪のゆとりのある敷地に建てたのは、中田工務店が提案する「i-works」。建築家・伊礼智さん設計のコンパクトな住まいだ。

「何もしない時間を楽しみたい」という施主にとって、建物とともに大切だったのが庭。建物と同時に計画をはじめて、この夏ようやく庭が完成した。

　庭のイメージは、「四季折々の植物が楽しめる街中の雑木庭」。
敷地の半分近くを占める庭には、多様な樹木が植栽され、さながら街中に現れた森のようなたたずまい。フルオープンになるリビングの窓からの眺めを考えて作庭され、庭の一角にある­­東屋からは、室内とは真逆の向きから庭が楽しめる趣向になっている。

　ご近所さんから「庭を見せて欲しい」と話しかけられることもあるそうで、「庭が地域に溶け込むきっかけになりました」と嬉しそうに話す。