「子どもはいずれ独立するので、大きい家は必要ありませんよね」と、コンパクトな住まいを得意とする安藤建築事務所で家を建てたご夫妻。
　一つひとつの空間の用途を限定せず、多目的に使えるようにというコンセプトのもと設計された住まいは、2階建て6層の多層構造。暮らしの中心は、2階に相当するダイニング。6帖ほどの空間だが、高い天井と外の視線を気にする必要のない窓、そして、ホールがつながる相乗効果で、実に開放的な空間となっている。「空間に変化があって、ワクワクします。いろんな使い方を考えて想像力を巡らすのが楽しい」とご主人。
　吹き抜けや高天井で空間がつながり合う住まいを支えるのが高い断熱性。この冬は1階のエアコンだけで、家全体が暖かく、快適に過ごせたそうだ。